カテゴリ「評論・思想」の27件の記事 Feed

2016年5月24日 (火)

村上春樹「雑文集」

Cimg8839 先の5月13日の記事(←リンクしてある)、「届いた2冊」で紹介した内、村上春樹「雑文集」(2011年、新潮社・刊)を読みおえる。

 小文69編を収めるけれど、69編の短編小説(掌編みたいなものを含め)を読むようなもので(435ページ)、かなりな苦労(忍耐と努力)をした。

 定価は1400円+税だけど、僕はAmazonマーケットプレイスで1円(+送料257円)で買ったので、258円の値打ち(内容と保存状態)は、ある本だった。

 エルサレム賞受賞挨拶「壁と卵」を読めただけでも、値打ちだ。

 しかし昨年7月28日~9月8日に、ここで8回に分けて紹介した「村上さんのところ コンプリート版」に由って、彼の人格への尊敬は失われたので、彼の立派な文章も、そのまま受け取る事ができない。

 現にそのあと出版された、自伝風らしい「職業としての小説家」を買っていない。

 小説の新刊が出るなら、買うだろう。現在の日本の作家で、海外でも読まれるのはほぼ、村上春樹1人なのは淋しい。「競ってこそ花」という言葉もある。

2016年5月16日 (月)

永田和宏「新版 作歌のヒント」

Cimg8826 先の5月10日の記事(←リンクしてある)「最近買った2冊」で紹介した内、永田和宏「新版 作歌のヒント」を読みおえる。

 NHK出版、2015年2刷。

 47のヒントに、例を挙げての解説と思いを述べている。

 歌集の筆写を勧めているくらいで、簡単な上達法はない、としている。

 しかし「結句の力―オチをつけない」で「結句病」を戒め、「嘘から出たまこと―事実しか歌ってはいけないのか」ではフィクションを認め、更に最後に「作者だけの<思い>で歌を縛らない」では、読者の読みを信頼して「作品は作者が作るものではなく、読者が作るものだ」と言い切りたい、としている。

 僕は少年時代、戦後詩の影響のもとレトリックの濃い詩を作ったが、それからの転回でレトリックの強い作品を書こうと思わない。

 この本には、オノマトペ、リフレイン、比喩、他のレトリックについても解説されているので、参考にしたい人は多いだろう。

2016年5月13日 (金)

届いた2冊

Cimg8837

Cimg8839  最近、2冊の本が、手許に届いた。

 1冊は、「田谷鋭全歌集」。「コスモス」誌に挟み込みの葉書で注文した。

 柊書房、2016年5月・刊。

 価格が1万5千円(税・別)と高いので、「コスモス」先達歌人の全歌集といえど、ふだんなら買えない。たまたま雑収入があったので、注文できた。

 もう1冊は、村上春樹「雑文集」。新潮社、2011年・刊。ビニールカバー。

 発売当初、書店に平積されたが、「雑文集に1,400円は高いなあ」と思って(ネーミングのミスだと思う)、買わなかった。

 先日、Amazonのマーケットプレイスに、1円(+送料257円)で並ぶ中から、選んで注文した。価値ある文章も多いようだ。

 

2016年3月 4日 (金)

「トラークル全集 Ⅴ」より「評論」

 青土社「トラークル全集」(1987年・刊)の第Ⅴ章より、「評論」3編を読みおえる。

 同・「物語」は、先の2月20日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 3編は、「主任演出家 フリートハイム」(全集で3ページと1行)、「グスタフ・シュトライヒャー」(4ページ弱)、「ヤコーブスとその妻たち」(1ページと2行)と、いずれも短い。「グスタフ・――」だけが、作家の作風の発展を追っていて、「主任――」は送別の公式評論らしく、「ヤコーブスと――」は罵倒である。

 訳注のいずれも原注の翻訳だけなので、理解しにくい所がある。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、水仙の1枚。

2016年1月11日 (月)

松尾豊「人工知能は人間を超えるか」

Photo 角川EPUB選書・松尾豊「人工知能は人間を超えるか」(2015年3月10日、デジタル版初版・発行)をタブレットで読みおえる。

 購入・ダウンロードについては、先の1月5日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 技術的な説明は、僕にはよくわからない。「リカレントネットワークに関する研究、たとえばLSTMと呼ばれるニュートラルネットワークの研究が進んでいる。」と読んでも、何の事だか。少しわかった事について、以下に書く。

 「人間のように考える」という意味では、人工知能はまだ出来ていない、と著者は考えている。

 人工知能の研究は、隆盛期と冬の時代を繰り返し、現在3回めの隆盛期を迎えている。

 ディープラーニングという技術によって、人工知能の大きな山を越えつつある事。

 「人工知能は人間を超えるのか。答えはイエスだ。」

 日本は人工知能研究への投資、その後に必要なビッグデータの蓄積で、遅れを取っているが、研究者の人材が豊かである。

 パソコンのOSでマイクロソフトに、CPUでインテルにほぼ独占されて日本の企業が苦しんだが、人工知能をめぐって、そのような事態にならないようにすべき事。

2016年1月 5日 (火)

松尾豊「人工知能は人間を超えるか」

Photo 昨年末、AmazonのKindle本コーナーより、1冊を購入し、Kindle for PCにダウンロードし、タブレットに同期した。

 松山豊「人工知能は人間を超えるか」。角川EpuB選書。99円(-23ポイント)。

 序章を含め、全8章で人工知能の基礎から現在・未来まで見通そうとする。

 人工知能への関心は、パソコン等と少し関わっているからだけではない。

 僕は囲碁に熱中していた時期があり(プロフィール参照)、現在ではパソコンはプロ囲碁棋士に勝てていないが、お隣の将棋ではプロ高段棋士がパソコンソフトにぼろぼろ負けた。

 体力・知力の持続の面などもあるとされるが、ショッキングな事だった。昨年の対戦ではプロ棋士側が勝利している。

 ディープラーニングというものも含めて、人工知能の全体地図を知りたく、今少しずつ読み進めている。

2016年1月 4日 (月)

同人誌「青磁」第35号

Cimg8673 昨年末、県内に在住の詩人・作家であるS・道明さんより、同人誌「青磁」第35号を頂いた。

 2015年12月、青磁の会・刊。

 S・道明さんには、僕が編集役の2人詩誌「群青」を毎号、送らせてもらっているので、年末にそのお返しだろうか。

 ただし僕の根気も衰えて読書は、詩歌句、短編小説集までがせいぜいである。

 重厚な小説と評論を集めた「青磁」を読む自信がない。

 それで目次の主な所を挙げて、謝礼の意を表する。

 K・嘉城「波紋」(小説)。H・二三枝「藤の花房」(評論)。M・正道「旅の空から」(小説)。S・道明「続杉堂通信」(小説)。

 総100ページ。

2015年10月 5日 (月)

最近買ったもの3つ

Cimg8568

Cimg8570

 最近、Amazonで3つのものを買ったので、紹介する。

 左上の写真は、「キーボードクリーニングスティック」10本入り(左端の1本は、使用中)である。キーボードの隙間に埃が溜まり、缶入りエアブロワーは高価だったので。それなりに埃が取れるが、完璧ではない。

 右上の写真は、「液晶用ウェットクリーニングティッシュ」50枚入りである。

 これまでも使って来たが、前の物が少なくなり乾燥してしまった為である。

Cimg8572

 もう1つは、吉本隆明「マス・イメージ論」(福武文庫)である。

 マーケットプレイスでコンディション「良」だったのに、本文にヤケが強かった。

 理解できるか判らないが、護符のようなものである。

 「ハイ・イメージ論」3冊も持っている。

 

2015年8月 8日 (土)

「与謝野晶子大全」

Photo AmazonのKindle本より、「与謝野晶子大全」を購入し、Kindle for PCにダウンロードした。

 2014年3月24日・1版。約5メガバイト。200円。

 先の7月22日の記事(←リンクしてある)、「若山牧水大全」に継ぐ。

 「与謝野晶子大全」には、源氏物語現代語訳、26歌集、詩業660篇、評論随筆(抄)49篇を収める。

 源氏物語現代語訳は別本にして(文庫本3冊版を既に持っている)、軽く(それを飛ばして、「みだれ髪」に入ると、46%を過ぎている)、廉価にしてほしかった気のする他は、満足できる内容と価格である。

 タブレットにも同期するので、容量が気になるが、昨日に苦情を呈した「村上さんのところ」を削除するのは惜しく(今はお蔵入りにして、再起動するか、自然消滅するか。高い授業料だった。)、他の2冊を削除した所、何とか収まった。

 購入を急ぐ必要はないようだが、ネット上はまだ不安定で(Amazonは、そうでないだろうけれど)、状況の変らないうちにダウンロードした。

2015年7月13日 (月)

「日本人が知らない村上春樹」

Photo Amazonのkindle本、「日本人が知らない村上春樹」をダウンロードし、読みおえた。

 ニューズウィーク日本版e新書、2013年9月・刊。294円。

 今回は、タブレットにもkindleアプリをダウンロード出来たので、パソコンと同期して、どちらでも前回に読みおえた所から、読み始められた。

 題名と価格に惹かれて、購入し読了したが、日本人が知らないような事は、ほとんど無い。

 僕が読んで来た、あるいはそれらから推測できる、状況ばかりだ。村上春樹の小説が、世界的に好評を受けている、再確認のみだった。

 アメリカ、スイス、韓国、フランス、ノルウェー、中国の7人(批評家、作家、翻訳家)の短い批評である。

 文体の魅力も、僕が村上春樹の翻訳本等を紹介する時に、書いて来た通りだ。

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