カテゴリ「詩」の100件の記事 Feed

2016年6月13日 (月)

若山牧水「樹木とその葉」(2)

 Kindle本「若山牧水大全」の随筆集「樹木とその葉」より、2回めの紹介をする。

 同(1)は、先の6月6日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 今回に読んだのは、「枯野の旅」より「空想と願望」に至る、7詩編である。

 Kindle本をタブレットで読むには、ぱらぱらとはページを繰りにくく、元のページに戻りにくい。詩7編なら、他の紀行文と一緒に紹介しても良かった。

 牧水が詩を書いていたとは知らず、生涯に何編の詩を書いたか、全集をもたないのでわからない。

 この7編には、57調の文語の詩、散文詩と呼ばれるべきもの、口語自由詩を含む。

 心情を素直に述べた詩が多い。初期「創作」や「詩歌時代」では詩も載せたようで、詩への眼はあったようだ。

Photo「フリー素材タウン」より、花菖蒲の1枚。

2016年6月12日 (日)

季刊「ココア共和国」vol.19

Cimg8875 宮城県・在住の詩人、秋亜綺羅さんが個人詩誌、「ココア共和国」vol.19を送って下さった。

 ツイッター上で同号を発行のニュースは流れたが、詩誌「群青」終刊後は送ってもらえないかと思っていたが、思いがけなく同号が届き、ここで紹介するまで日数を経てしまった。

 同誌・vol.18は、昨年12月17日付けの記事(←リンクしてある)で紹介した。

 招待の中家菜津子さんの詩・短歌「筆箱」、打田峨者んさんの俳句「風の再話――昔むかしのどの昔」は、作品の良さが僕にもわかる。

 詩の招待作品が、僕にはわからない。僕が現代日本詩の最前線より遠く長く、離れているせいだろう。

 松尾真由美さん「崩れさるもの、巣の渾沌」、橋本シオンさん「デストロイしている」の題名が示しているように、都会の人の心は崩れ、壊れているのだろうか。

 秋亜綺羅さんの「凱歌」ほか2編は、2行1連を繰り返しており、定型への志向が読める。彼は否定するけれど、戦後詩の流れを汲むと、僕は思っている。エッセイも有意義である。

2016年5月31日 (火)

「シュメール神話集成」(10)

 ちくま学芸文庫「シュメール神話集成」(2015年・刊)より、10回目、最終の紹介をする。

 同(9)は、先の5月27日付記事(←リンクしてある)にアップした。

 今回、僕が読んだのは、「シュメールの格言と諺」1編である。

 先達学者によって1,000程とされる格言・諺より、60を翻訳者・尾崎亨が選び、訳している。目新しいものは少ない。

 これで16編、本文で193ページを読みおえる。10回に分け、長くかかったのは、目新しい神話、伝承であり、数百の訳注(46ページ)、77ページの解説を追いながら読まねばならなかったからである。

 2011年12月1日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「ギルガメシュ叙事詩」と共に、メソポタミア文明の文献の翻訳として、貴重な本である。

Photo 「フリー素材タウン」より、花菖蒲の1枚。

2016年5月27日 (金)

「シュメール神話集成」(9)

 ちくま学芸文庫「シュメール神話集成」(2015年・刊)より、9回めの紹介をする。

 同(8)は、今月18日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 今回に僕が読んだのは、「ダム挽歌」(21行)、「悪霊に対する呪文」(80行)、「ナンナル神に対する「手をあげる」祈祷文」(49行)、の3編である。

 「ダム挽歌」は、イナンナ神(かつて、立場がわからない、と書いたが、戦と性愛の神とされる)が、冥界に去った息子・ダム神を嘆く独白である。

 「悪霊に対する呪文」は、病気を悪霊のせいと考えたので、退散させる呪いの療法を示す。

 「ナンナル神に対する「手をあげる」祈祷文」は、月の神・ナンナルに対する讃歌である。

 この本のテキストの残りは、「シュメールの格言と諺」のみとなった。

Photo 「フリー素材タウン」より、薔薇の1枚。

2016年5月18日 (水)

「シュメール神話集成」(8)

 ちくま学芸文庫「シュメール神話集成」(2015年・刊)より、8回めの紹介をする。

 同・(7)は、先の4月27日の記事(←リンクしてある)に、アップした。

 今回に僕が読んだのは、「シュルギ王讃歌」(103行)と、「グデアの神殿讃歌」(9章225行)である。

 シュルギ王(在世・紀元前2093年より48年間)と、グデア王(在世・紀元前2144年~2124年)の讃歌であり、いずれも王権を神から授けられたとして、絶対化している。

 記録としては、権力と宗教の在り様としては、興味深いかも知れないが、文学としては面白くない。

Photo 「フリー素材タウン」より、薔薇の1枚。

2016年4月18日 (月)

「シュメール神話集成」(6)

 ちくま学芸文庫「シュメール神話集成」(2015年・刊)より、(6)「ウルの滅亡哀歌」を紹介する。

 同(5)2編の紹介は、先の3月30日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 「ウルの滅亡哀歌」は、全11幕436行に及ぶ長編だが、不明部分はわずかな欠語があるのみである。ばらばらに発表された多くのテキストを集成し、次々と別の写本テキストが発表され、ほとんど完全に知られるようになった。

 ウルを主とするシュメールの諸都市が暴風によって破壊され、多くの死者を出して滅ぶが、民の声がウルの神、ニンガル(女神)とナンナル(男神、ニンガルの夫)に、戻ってくるよう訴えて終る。

 付された156の訳注を追って、読みおえられた。

Photo 「フリー素材タウン」より、チューリップの1枚。

2016年3月30日 (水)

「シュメール神話集成」(5)

 ちくま学芸文庫「シュメール神話集成」より、5回めの紹介をする。

 今月24日の記事(←リンクしてある)では、同(4)「イナンナの冥界下り」を紹介した。

 今回は、「ギルガメシュとアッガ」、「ドゥムジとエンキムドゥ」を読みおえた。

 「ギルガメシュとアッガ」では、ギルガメシュの都市「ウルク」がアッガ軍に攻められるが、ギルガメシュが城壁より顔を出しただけで、アッガ軍は圧倒されてしまう。

 また「ドゥムジとエンキムドゥ」では、女神イナンナが、兄より牧羊神ドゥムジを夫にするよう勧められるが、農夫エンキムドゥが良い、と言い張る。ドゥムジが弁舌を揮って、イナンナの好意を得て夫になり、エンキムドゥも身を引く、という物語だ。

 いずれも、おおらかな神話時代の物語である。リフレインなど、細かい筋があるので、一読を勧めたい。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、花水木の1枚。

2016年1月30日 (土)

同人詩誌「群青」合本

Cimg8708 同人詩誌「群青」同人のAUさんが、31号で抜け、残った相棒のこぐま星座さんより年賀状で「『群青』での活動をしばらく休みたい」と申し出があり、2015年11月・刊の第34号で終刊し、母体の「群青の会」も解散する事にした。

 最後はこぐま星座さんが詩人らしく、きれいに纏めてくれた。

 第31号~第34号の合本を2部、宮本印刷で作成してもらい(無料で)、1部をこぐま星座さんに郵送した。(表題は家のテーププリンターで)。

 直近の同誌・第21号~第30号の合本は、2014年7月9日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 2004年10月に創刊号を発行し、通巻して僕とこぐま星座さんと女性3人が同人となったが、女性詩人が続かない欠点があった。

 詩才あるこぐま星座さんに、発表の場を、という意向で創刊した詩誌なので、先述の事態となり、潔く終刊・解散を決めた。

 11年余に関わってくださった方々に、感謝の意を表する。

2015年11月16日 (月)

2015ふくい詩祭

Imgp1216  昨日(11月15日、日曜日)の午後1時半より、Aossaビルの「ウェルアオッサ」にて、「2015ふくい詩祭」(主催・福井県詩人懇話会)が催され、40名近い詩人が参加した。

 富山県、石川県からの、数名ずつの方を含む。

 半田信和さんの司会のもと、福井県詩人懇話会代表・渡辺本爾さんの開会挨拶、3名の詩人の自作朗読、2人によるギターの連弾(6曲か)があった。

 研究発表として、前・福井大学教授の越野格さんによる「山川登美子の出発期」がなされた。「明星」第2号に初めて載った山川登美子の短歌が、鉄幹による「文庫」からの転載ではなく、登美子が2、3の歌誌に同じ短歌を投稿していた故と考えられると、発表した。他にも幾つかの知見が示された。

 シンポジウム「詩にうたわれた北陸の風土と生活」では、パネリストの野海青児さん(富山県)、砂川公子さん(石川県)、金田久璋さん(福井県)が、千葉晃弘さん(福井県詩人懇話会)のコーディネイトのもと、北陸の風土と歴史に根差しつつ、世界へ向けて詩が書かれねばならない事が語り合われた。

 福井県詩人懇話会・副代表の佐野周一さんの挨拶で閉会した。そのあとの懇親会(パーティ)には、僕は参加しなかった。

 なお写真は、シンポジウム時のもので、早退した2、3名、受付に残った1名、報道関係者2名、そして撮影の僕が撮られていない。

2015年11月 8日 (日)

『渡辺本爾詩集』出版記念会

Imgp1154  昨日(11月7日、土曜日)の午後1時半より、福井大学アカデミーホールにて、『渡辺本爾詩集』出版記念会が催された。

 彼は福井県詩人懇話会代表、詩誌「果実」同人であり、多くの知友、詩人が集まった。

 詩集(1)を2014年6月14日付け記事(←リンクしてある)で紹介し、詩集(2)を2015年8月23日付け記事(←リンクしてある)で紹介した。詩集(3)も発行される予定で、祝辞を述べる方からも、期待の声が多かった。

 なお東京より、編集・写真・発行者の大竹雅彦さん、装丁の南口雄一さん、ピアニストの吉岡亜由美さんが出席し、会を盛り上げた。

 南口さんのドキュメンタリーフィルム「Night Train」(音楽・吉岡さん)が上映され、吉岡さんのピアノ伴奏で詩の朗読がされた。

 4名のお祝いの言葉、渡辺さんへの花束贈呈、東京よりの3方に記念品贈呈があった。

 渡辺さんの謝辞のあと、午後4時半の閉会の言葉で、記念会が閉められた。

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