橘曙覧「春明艸」
kindle本「橘曙覧全歌集」より、第3集「春明艸」を、タブレットで読みおえる。
同・第2集「襁褓艸」は、先の8月21日の記事(←リンクしてある)で紹介した。
橘曙覧の歌は、清貧の生活を平易に詠んだ印象があるかも知れないが、画賛なのか題詠や、知友へ贈る作品も多い。
なおこの集は、有名な連作「独楽吟」を含む。
以下に5首を引く。
君としも知らで足おと門(かど)にせし駒迎へにもはしらざりけり
うつくしき蝶ほしがりて花園の花に少女の汗こぼすかな
朝夕のまじはり深くしげりゆく竹ならはばや重ぬらむ世も
たのしみは紙をひろげてとる筆の思ひの外に能(よ)くかけし時
たのしみは庭に植ゑたる春秋(はるあき)の花のさかりにあへる時々
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