橘曙覧「襁褓艸」
kindle本「橘曙覧全歌集」より、第2集「襁褓艸」を、タブレットで読みおえる。
第1集「松籟艸」は、8月3日の記事(←リンクしてある)で紹介した。
このkindle版では、詞書(ことばがき)が元のままのようで、それらを省略した幾つかの全歌集註釈版に優るようである。
まれに国粋的な歌があって、戦時中に利用されたかと思う。
以下に5首を引く。
朝かぜにゆられて落(おつ)るささ栗に小笠(おがさ)うたるる秋のみ山路
はしたなくしか鳴(なき)たてて山里の垣ねすぎゆく此夜ごろはも
見に来よときのふいひける山寺のもみぢゝりぬと聞くはまことか
一日経ば一日近づく故さとの空なつかしみ道いそぐらむ
さき出(いで)てまだいはけなきをみなへしいかでか君にまかせらるべき
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