思潮社「岡井隆全歌集」第Ⅳ巻(2006年・刊)より、彼の詩集「月の光」第6章を読む。
扉に次のように書かれてある。「本書は著者のこれまでに書いた詩作品を編んだ「詩集」である。全六章のうち、既刊全歌集と重複のない最終章のみ収録した」。
これまで彼の全歌集を読んできたが、詩作品はこれといって僕の内に残っていない。この第6章には、8編の旧仮名遣いの詩が載る。
彼はその後も詩集を発行し、評価されている。現代詩人の奮起を望みたい。
以下に1編を引く。
愉快な仲間岡井隆
愉快な仲間がゐないことが鉄則涙の河におぼれてゐることが鉄則
知るより先に感じることが鉄則
西久保三丁目を馬にのつて走り抜けながら
老いた 武士 は一瞬 鉄則に鞭打ってしまつた
先の日曜日(1月22日)に、ホームセンター「みった みゆき店」へ行った時、鉢植えのミニ薔薇があったので、1鉢を買った。
昨年は赤花のミニ薔薇を買い育て、何回かこのブログにアップした(まだ生きている)ので、今回は黄花種にしてみた。
6つの莟のうち、手前の2輪が花頃かと、写真をアップした。そのあと、1番開いている花を切った。そうしなければ、6番めの莟まで咲かせられない。
ラベルには「Parade」とあるけれど、蔵書の「決定版 バラ図鑑」(講談社、2005年6刷)の「ポリアンサ・ローズ ミニチュア・ローズ」の黄花の項にない。念のため「和名索引」で引くと、「パレード」はあるが、その「Parade」は赤花のクライミングローズ(つる薔薇)だった。品種名の国際的な登録機関がある筈だが(洋蘭には、ある)。
最後に拙作を1首
三月に買ひしミニ薔薇九月には五度めの花を窓辺に咲かす
「コスモス」2011-12月号より
奥様が送って下さった、江田浩之(こうだ・ひろゆき)氏の遺歌集、「夕照(せきしょう)」を読みおえる。
2012年1月、柊書房・刊。
彼が「コスモス」の先輩である外、僕と大きな関わりはない。
歌集「風鶏」に続く、第2歌集でもある。
人工透析を受けながら、教師を定年まで勤め上げ、その後に数回の大手術を受けながら、短歌への意欲を絶やさなかった人生である。
1ページ4首、総223ページはやや重い印象だが、載せたい歌が多く、ページも歌集の体裁をはみださないようにとすれば、こうなるのだろう。
短歌を抄出しようとして、付箋を貼りながら歌集を読むのは、良い事だ。作品を見きわめ、見落としの無いように読んでゆくから。
以下に8首を引く。
ワイパーが雨を拭き消すその幅に波のめくるる冬の海原
追憶の母となりたり風中に麦を踏みつつ遠ざかりゆく
取り入れし洗濯物に向かひゐる妻は妻とふ時間をたたむ
水の面に散りし紅葉に口をつけ鯉が押しゆく遊びのごとく
娘が帰り妻が帰りて病室にひとりの時間日暮れてゆけり
目覚むればまだやりなほしできさうな朝がきてをり雀鳴きゐる
利かぬ脚曳きつつすすむ蹌踉と最期にちかづく形かこれは
むらさきの烟なす藤見上げつつもうしばらくは生を楽しまん
結社歌誌「コスモス」2012-2月号を読みおえる。
ただし初めより、「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」(「その二集」「あすなろ集」の特選欄)、「新・扇状地」、他。
僕の短歌は、「その一集」3首選だった。ううむ。
付箋を貼った1首は、「月集シリウス」で埼玉県のT政雄さんの5首(16ページ上段)より、次の作品である。
年々に発言力をつけし妻時に上司のごとく物言ふ
微笑ましく、怖くもある境地だ。
「コスモス」にも有力な若手が多いが、なんとしても層が薄く、これからの課題であろう。
坂井市にお住まいの詩人・Nとしこさんが、同人詩誌「角(つの)」第24号を送って下さった。
2011年12月、角の会・刊。
K悦子さんの「生まれし命」は、生まれて5ヶ月近い嬰児の純粋な様と、めぐりの大人たちがあやし慈しむ様を描く。「健やかな生涯を願いながら/君が大人になるのを見届けられず/この世を去っていく者たちの/ちからも借りて」と結んでいる。
Nとしこさんの「リオン」は、「リオン」という花が初秋の頃に庭に咲くことを描きながら、若かった義母や、穏やかで寂しいくらいの境遇を浮かばせる。「田仕事に疲れて ほっと中庭で土盛りする/遠い日の 暮れの/細い気配が きこえてくる」と結ばれる。
散文では、Y清吉さんの「聞こえない耳に聴こえた音声(おんじょう)」と、Aセイドーさんの「事の始まり 6」など、人の悩みは尽きない、と感じさせる。
角川書店「増補 現代俳句大系」第4巻(昭和56年・刊)より、7番めの句集、西島麦南(にしじま・ばくなん)「人音(じんおん)」を読みおえる。
原著は、昭和16年、甲鳥書林・刊。
長い「序にかへて」、500余句、後記を収める。
彼は「序にかへて」で「私は、芸術を衣食する資格を自らにゆるさない。」と書いたように、初期には「新しき村」への入植、それにも納得せず岩波書店に校正担当として入社、「校正日本一」と賞賛されるまでになった。
専門俳人でないせいか、きらびやかな句はまれだが、地味に吟じ続け、戦時下にあって時局吟は1句もない。
以下に5句を引く。
文弱のそしりに堪ふる卯月かな
惜しみなき千草の花の供養かな(温亭忌)
郁李(にはうめ)に春光あはき蝶のかげ
蒪生ふ沼のひかりに漕ぎにけり
菱の水めだか微塵に孵りけり
最近に入手した本を、以下に列記する。
①は、1月16日に届いたもの。
②は、1月17日(火曜日―僕の指定休日)に、「KaBoS Wasse店」で買ったもの。
③は、同人詩誌「群青」の仲間のAUさんを通して、桂川さんと知人となり、詩集の遣り取りをしたものが、1月17日に届いた。
④は、Amazon内のマーケットプレイス「パスカルブック」より1月18日(今日)に届いた。「コンディション 非常に良い」とあったが、とてもそうとは言えない本。「日本の古本屋」より安い。
⑤⑥は、Amazonよりの広告メールにあって、注文し、1月18日に届いた。スマートフォン同機のバブルフリー(泡の残らない)フィルムシートを買ったので、関連商品として、紹介したのだろう。同機の取説が今少しなので、例によってハウツー本を買ってみた。
最近のコメント