カテゴリ「ノンフィクション」の90件の記事 Feed

2016年8月 1日 (月)

「トラークル全集 Ⅷ 書簡」(3)

 青土社「トラークル全集」(1987年・刊)より、「 Ⅷ 書簡」の、3回めの紹介をする。

 同(2)は、先の7月25日付け記事(←リンクしてある)にアップした。

 前回に続き、書簡番号101~145(最終)の、45通を読む。

 日付の確認できているのは、138番までである。巻末の略伝に拠り、事情がわかっているので、逼迫ぶりが感じられる。

 トラークルは第1次世界大戦に、衛生部隊の薬剤師見習いとして従軍し、野戦病院で患者として、コカインの飲み過ぎ、という自殺とも見られる死を遂げた(27歳)。

 「呪われた詩人」の死であり、旧世界の死を体現していた。

 これでこの、1009ページ(書誌を除く)にわたる全集を、読みおえた。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、ダリアの1枚。

2016年7月25日 (月)

「トラークル全集 Ⅷ 書簡」(2)

 今日よりこのブログの、記事更新を再開致します。

 青土社「トラークル全集」(1987年・刊)より、「Ⅷ 書簡」の2回めの紹介をする。

 同(1)は、先の6月26日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 前回に続いて、書簡番号33~100の、68通を読んだ。

 変わらず親友・ブシュベック宛ての書簡が多く、雑誌編集者・フィッカー宛ての書簡等も混じる。

 雑誌への詩の掲載、詩集出版など、小さな成功を積んでゆく様が読み取れる。また仕事・金銭の不安定もわかる。

 書簡集は、日付不明のものを含め、145番まである。

Photo「フリー素材タウン」より、山・高原の1枚。

 

2016年7月13日 (水)

若山牧水「その他の随筆など」(2)

 kindle本「若山牧水大全」第3部「その他の随筆など」の後半を読みおえ、2回めの記事アップをする。

 同(1)は、先の6月27日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 今回に読んだのは、「水郷めぐり」~「湯槽の朝」の17編である。童謡集「小さな鶯」、小説「古い村」等を含む。

 重厚な紀行文は、山岳文学(僕は読んではいないが)に入るのではないだろうか。

 これでkindle本「若山牧水大全」のすべてを読みおえた事になる。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、朝顔の1枚。

2016年6月27日 (月)

若山牧水「その他の随筆など」(1)

 Amazonのkindle本「若山牧水大全」の第3部「その他の随筆など」より、初めの10編をタブレットで読みおえる。

 前回の同「樹木とその葉」(3)は、先の6月22日付け記事(←リンクしてある)にアップした。

 第3部が「随筆など」とある通り、今回の10編(「秋草と虫の音」~「姉妹」)にも随筆だけでなく、小説風の「一家」、小説の「姉妹」、写生文風の「鴉と正覚坊」、重厚な紀行文である「熊野奈智山」「木枯紀行」などを含む。

 書かれた時期はわからない。

 なお第3部は、全27編である。

Photo「フリー素材タウン」より、蓮の1枚。

2016年6月26日 (日)

「トラークル全集 Ⅷ 書簡」(1)

 青土社「トラークル全集」(1987年・刊)の「Ⅷ 書簡」より、1回めの紹介をする。

 同「Ⅶ 遺稿(戯曲ほか)」は、今年5月19日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 収められている全145通の書簡の内、年代順に初めより、32通を読みおえる。

 1通めの、ギムナジウム時代の友人、カール・フォン・カルマー宛ての手紙で既に、「…残念ながら ぼくは又、クロロフォルムに逃げてしまった。…ぼくにはもう、破滅が間近に見えているのだから。」と書いている。

 彼はギムナジウムを退学した後、薬局での3年間の薬剤師見習いを経て、ウィーンの大学で2年間学び、薬学のマギスターとなる。

 幼い時からの親友、エルハルト・ブシュベックが、トラークルを励まし続けたようで、トラークルは数十通の書簡を送った。

Photo_2

「フリー素材タウン」より、蓮の1枚。

 

2016年6月22日 (水)

若山牧水「樹木とその葉」(3)

 Kindle本「若山牧水大全」より、随筆集「樹木とその葉」を3回めで読みおえる。

 なお同(2)は、6月13日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 間に挟まれた7編の詩以降、「酒の讃と苦笑」~「自然の息自然の聲」「跋」に至る随筆22編である。

 自跋でも「註文を受けて書いたものばかりである。…幼く且つ拙いものゝみである。」と書いている。紙誌に歌人のエッセイを載せると、歌を詠む人以外の読者も得られたのだろう。

 酒の話、家族の話などもあるが、紀行文に優れていた。

Photo「フリー素材タウン」より、蓮の1枚。

2016年6月 6日 (月)

若山牧水「樹木とその葉」(1)

 Kindle本「若山牧水大全」の全14歌集を読みおえ、それに続く「樹木とその葉」より、1回めの紹介をする。

 「序文に代へてうたへる歌十首」を含め、「若葉の頃と旅」に至る8編である。

 いわゆる随筆と言ってよく、紙誌の求めに応じて書かれた作品だろう。

 身辺を描いたものの他に、紀行文と呼べる旅の記録があり、深い山を訪ね、川を遡っている。自然詠などに発するものかも知れないが、社会の煩わしさを嫌った、牧水の人間嫌いの1面かも知れない。

 「若葉の頃と旅」以降は、どこまでか判らないが、詩編が続いており、次の機会に紹介したい。

Photo_2

「フリー素材タウン」より、花菖蒲の1枚。

2016年5月24日 (火)

村上春樹「雑文集」

Cimg8839 先の5月13日の記事(←リンクしてある)、「届いた2冊」で紹介した内、村上春樹「雑文集」(2011年、新潮社・刊)を読みおえる。

 小文69編を収めるけれど、69編の短編小説(掌編みたいなものを含め)を読むようなもので(435ページ)、かなりな苦労(忍耐と努力)をした。

 定価は1400円+税だけど、僕はAmazonマーケットプレイスで1円(+送料257円)で買ったので、258円の値打ち(内容と保存状態)は、ある本だった。

 エルサレム賞受賞挨拶「壁と卵」を読めただけでも、値打ちだ。

 しかし昨年7月28日~9月8日に、ここで8回に分けて紹介した「村上さんのところ コンプリート版」に由って、彼の人格への尊敬は失われたので、彼の立派な文章も、そのまま受け取る事ができない。

 現にそのあと出版された、自伝風らしい「職業としての小説家」を買っていない。

 小説の新刊が出るなら、買うだろう。現在の日本の作家で、海外でも読まれるのはほぼ、村上春樹1人なのは淋しい。「競ってこそ花」という言葉もある。

2016年5月13日 (金)

届いた2冊

Cimg8837

Cimg8839  最近、2冊の本が、手許に届いた。

 1冊は、「田谷鋭全歌集」。「コスモス」誌に挟み込みの葉書で注文した。

 柊書房、2016年5月・刊。

 価格が1万5千円(税・別)と高いので、「コスモス」先達歌人の全歌集といえど、ふだんなら買えない。たまたま雑収入があったので、注文できた。

 もう1冊は、村上春樹「雑文集」。新潮社、2011年・刊。ビニールカバー。

 発売当初、書店に平積されたが、「雑文集に1,400円は高いなあ」と思って(ネーミングのミスだと思う)、買わなかった。

 先日、Amazonのマーケットプレイスに、1円(+送料257円)で並ぶ中から、選んで注文した。価値ある文章も多いようだ。

 

2015年9月 8日 (火)

「村上さんのところ」最終回

 村上春樹が期間限定サイトに寄せられた、37,465通のメールより、3,716通に返信した、質問・相談と応答をすべて収めたKindle本、「村上さんのところ コンプリート版」を読みおえる。

 すべてタブレットで、40日余りかけて読んだ。3,000通を越えているのに30数%と表示されて、何かあるのかと思っていたら、時系列編のあとにテーマ別編が付いているのだった。後者を読む気はない。

 2つ、引用する。読みきれない蔵書について、「『素晴らしいじゃないか。これだけの本の中から好きなものを選んで読めるんだ』そう考えたらいかがでしょう。」

 またこの企画で、メールが多過ぎた事について「しまった、えらいことをしてしまった、と後悔しております。」

 しかし彼は、すべてのメールに目を通し、返信を続け、約束を果たした。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、洋梨の1枚。

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