佐藤鬼房「夜の崖」
角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、10番めの句集、佐藤鬼房「夜の崖」を読みおえる。
先の1月25日の記事(←リンクしてある)、鈴木真砂女「生簀籠」に継ぐ。
原著は、1955年、酩酊社・刊。第1句集「名もなき日夜」(1951年・刊)からの再録「名もなき日夜」65句と、「夜の崖」の279句を収める。
西東三鬼の序、鈴木六林男の跋、著者略伝を付す。
佐藤鬼房(さとう・おにふさ、1919年~2002年)は、岩手県に生まれ、1925年に父を亡くし、小卒で職に就く。7年の兵役に就く。俳誌を移ってゆき、「天狼」同人、「小熊座」創刊・主宰。
新興俳句から出発し、社会性俳句の代表作家とされたが、作風は変容・深化し続けたとされる(三省堂「現代俳句大事典」2005年・刊、等に拠る)。
以下に5句を引く。
吾のみの弔旗を胸に畑を打つ
罪なきパンかがまり嚙る吾子と吾
沖にたつ冬虹棒の足の午後
岸壁に真昼の焚火髯かゆし
髪薄き友の肩幅木を挽けり
tenka Books様、コメントを下さり、ありがとうございます。
当時は、現在と違う思想状況もあったようで、社会性俳句がまだ良くわかりません。
投稿: 新サスケ | 2016年2月 4日 (木) 22:00
少し難しそうですね。。。
投稿: tenka Book's | 2016年2月 4日 (木) 19:08