「伊藤整詩集」を読みおえる。
新潮文庫、昭和55年28刷。
彼の全詩集が「伊藤整全集」第1巻に収められているが、その本は本の山の下積みになっていて取り出しにくいので、今回は新潮文庫で読んだ。
北海道の村で生まれ育ち、都会に出て学ぶ青年の、故郷に(家族に、風土に)寄せる思いが、表面的には素朴に歌われている。
その素朴さは、作品の語りかける口調にも現れる。語りかけの相手は、作者自身、登場人物、読者だったりする。
彼の小説、評論はほとんど読んでいないのだが、若い日に読んだ長編小説 、「氾濫」の神経質な暗い描写が印象に残っている。
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