奥村晃作「多く日常のうた」
3日前の支部歌会の折り、ISさんが貸して下さった、奥村晃作さん(「コスモス」選者、「棧橋」発行人)の第12歌集「多く日常のうた」を読みおえる。
2009年、ながらみ書房・刊。
造本は軽装で、表紙もべた地に黒文字のみである。
歌集は内容が大事で、それ以外のことは軽く、という考えだろうか。
この歌集では、気づきのみでなく、心情吐露の歌も多く、僕はそれらの作品にも惹かれた。
この歌集より、以下に6首を引く。
千両がなくなったから万両の赤い実見つけ鳥たち食べた
ウメが咲きハクレンが咲きサクラ咲きシンビジュームは咲き続くなり
神の世もかく理不尽が通るかと高天原にケータイで聴く
あと何年生きられるとか死のことを意識し思う我は目覚めて
パソコンに無理強いをしてパソコンを五台壊した無理強いをして
完全はないはずなのにデジタルのコンピューターは完全世界
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