青山雨子「階段のさき」
鯖江市・在住の詩人・青山雨子さんが、第１詩集「階段のさき」をくださった。
紫陽社、２００８年１０月・刊。
おしゃれなデザインのカバーで、帯もついている。本格的な出版社に頼むと、こういう本ができるのか、と思う。
詩作品は、現代の先鋭的なものが多い。
ただしそれで、読者に読後、感情のカタルシスがなくて、空しさが残る場合があるようだ。
「花屋の花」では、美しい花束を買う人の背後には、葬儀用の菊花を大量に蔵する冷蔵庫がある、と書く。「メメント・モリ」の言葉を思い出させもして、優れた作品の１つである。
修辞も、新しいイメージの追求も、すでに古いと僕は思うよ。
僕は人間の心の真実を、追求したい。
投稿： 新サスケ | 2009年12月19日 (土) 18:29
いや、読んで即、わかる・・・あるいは思った事を素直に書く･･･それがよい詩の条件だと僕は思わないなぁ。
それだったら詩という方法よりも散文で書くべきだと思うよ。
どんな意図のもとに、どんなイメージがそこに表現されているか･･･何が書かれているかよりもどう書かれているかを詩を読むときは味わうべきだとおもうんだなぁ。イメージの新しさをこそ判断の中心に置くべきだと思うんだ。
彼女の作品は、そういう意味で、新しい物を目指そうとしているその姿勢だけで充分評価していいと思う。たとえば、母親の詩を反対側に回って「ハ」の字に広がった足の形でとらえる･･･それって意外にすごい着想だと俺は思うなぁ。
投稿： まんぐーす長嶋 | 2009年12月19日 (土) 13:19