阿波野青畝「万両」
角川書店「増補 現代俳句大系」第1巻(昭和56年・刊)より、4番目の、阿波野青畝・第1句集「万両」を読みおえる。
原著は、昭和6年、青畝句集刊行会・刊。
僕は現代俳句の世界にうといし、彼のこの先の句業もしらない。
ほとんど評のしようが無い。
彼は4Sの一人と呼ばれた。4Sとは、当時に有力俳人としてもてはやされた、青畝、秋桜子、誓子、素十を指す。
写生と主観的抒情とが調和するに至って、彼独特の世界が形成されたと評価される。
以下に5句を引く。
鴟尾今日の日を失へば夕牡丹
せきれいや渚を消えて又居れり
風蘭や土の気(け)はなきさかさ生え
道端に畦を焼きたるすぐろかな
曙の早き畦塗立てりける
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