西山泊雲「泊雲句集」
角川書店「増補 現代俳句大系」第1巻(昭和56年・刊)より、15番めの句集、西山泊雲「泊雲句集」を読みおえる。
原著は、昭和9年、巧芸社・刊。
解説に「一時は『ホトトギス』雑詠の巻頭を独占して、泊雲時代と称された」とあるが、さほどとも僕には思われない。
また1,000句近い句が季語ごとに並べられ、各句末に制作年が付され、とても読みにくい。
敗戦前が限界の句集だったのだろう。著者本人も、昭和19年に亡くなっている。
以下に、5句を引く。
白酒をこぼしてのめる鼠かな
花種を蒔く古妻や児等左右
兄弟や地虫の穴にうづくまり
くらがりに筧の音す良夜かな
池の面の日かげ日向や散る柳
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