« 詩誌「アリゼ」第140号 | メイン | 「野行き」vol.2 »

2011年1月24日 (月)

古井由吉「木犀の日」

Cimg4616  古井由吉・自選短編集「木犀の日」を読みおえる。

 講談社文芸文庫、2009年9刷。

 かつて楽天のポイントがまとまって付与された時、哲学書(文庫本)とともに、買った彼の小説の1冊と記憶している。

 この1冊のテーマは、「現代の狂気」と言うべきか。

 最初の「先導獣の話」は、大都市の出勤ラッシュが整然としている異常さを描く。

 「夜はいま」では、精神病院に入院している男性が、主人公である。発症の因は語られなく、院内での様子が描かれる。主人公は退院するのだが、末尾ではまた入院中である。

 「秋の日」では、結婚6年めで30歳近い男性が、別の女性に養われる(ほとんど外出もせず)ようになり、20年を経る。その女性の死によって、主人公は社会復帰を果たす。

 第64回芥川賞を受けた「杳子」が、神経症気味の女子大生との出会いを描いた小説だった。古井由吉の文学のテーマに、「現代の狂気」があるのだろう。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/25850268

古井由吉「木犀の日」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート