飯田蛇笏「霊芝」
角川書店「増補 現代俳句大系」第2巻(昭和56年・発行)より、13番めの句集、飯田蛇笏「霊芝」を読みおえる。
原著は、昭和12年、改造社・刊。
「霊芝(れいし)」には、千句を収める。第1句集の1,800句より500句を選び、その後の500句を合わせた、第2句集である。
新しさを出そうとして苦吟したらしいが、この句集では、感性や考え方が古いようだ。
飯田蛇笏(いいだ・だこつ)は、俳史を知らない僕が知っていた俳人だが、そのあとの発展を知らないで僕は書いている。この「大系」の後の巻には、彼の句集が幾つか載っているだろう。
以下に5句を引く。
牧へとぶ木の葉にあらぬ小禽かな
谷橋に見る秋虹のやがて消ゆ
山びこに耳かたむくる案山子かな
山深く芽を掻く籠や春の昼
しろたへの鞠のごとくに竃猫
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