室生犀星の「我が愛する詩人の伝記」を読みおえる。
角川文庫、昭和40年・刊。
帯、パラフィン紙カバー。
この本は、中公文庫で新しい版があるのだけれど、「日本の古本屋」でも高価なので、古い角川文庫を買った。
著者は自分を悪小説家と卑下し、当時の故・詩人を持ち上げて書いている。
詩人への、敬意・友情・愛情に満ちた11章である。とくに夭逝の立原道造、津村信夫を述べた章に好感をもつ。
僕はこれまで、この本を何度も読んできた。思想・芸術が現実に先立つなら、詩人の交流も、このように自由なものであるだろう。
僕はこれからも、この本を読み返す事があるだろう。
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