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2011年5月 6日 (金)

加藤楸邨「寒雷」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第3巻(昭和56年・刊)より、4番めの句集、加藤楸邨「寒雷」を読みおえる。

 原著は、昭和14年、交蘭社・刊。

 「古利根抄」、「愛林抄」、「都塵抄」の3章に、540句を収める。

 この「寒雷」に至って、僕は初めて現代俳句に出会った気持ちがする。水原秋櫻子の「馬酔木」に拠り、中村草田男、石田波郷とともに、人間探究派と称された。

 高浜虚子の門下の作風を、僕でも古典的と感じていたのだろう。

 以下に5句を引く。

ふなびとら鮫など雪にかき下ろす

波ゆけば浮葉にともる蛍かな

雪崩止四五戸が嶺と闘へる

屋上に見し朝焼のながからず

元日や枯野のごとく街ねむる

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