思潮社の現代詩文庫44、「三木卓詩集」を読みおえる。
1998年、11刷。
彼のエッセイ集か小説か、以前に文庫本で読んで、爽やかな印象を持っていた。
しかし詩は、情念どろどろだった。
彼は評論「憎悪について」の初めで、彼に詩を強いたものが「憎悪と夢想」だと述べている。
敗戦による満州からの引き揚げの途中で父、祖母を亡くすなどして貧しく、小児麻痺の後遺症で左足に不自由があり弱者だった、少年時代が因だとされる。
彼はのちに小説に転じ、芥川賞その他の賞を受けた。また童話の創作、翻訳で活躍した。彼にとっても、読者にとっても、こころ優しいことだ。
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