後藤夜半「翠黛」
角川書店「増補 現代俳句大系」第3巻(昭和56年・刊)より、13番めの句集、後藤夜半(ごとう・やはん)「翠黛(すいたい)」を読みおえる。
原著は昭和15年、三省堂・刊。
大正12年より昭和8年までの作、216句を収める。
彼の抒情には女性的なところがある。
鷹羽狩行が解説で例句を引きながら、「このように夜半の句は集を追って高まりをみせ」と述べ、僕も同感するので、この後の句集を同「大系」で読める事を楽しみにしている。
以下に5句を引く。
なつかしく子につきめぐる花御堂
魂棚のくさぐさ見ゆれ路地涼み
草市にこゞめるひとの影法師
滝の上に水現れて落ちにけり
日焼たる須磨浦町のをとめたち
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