ドナルド・キーン「日本の作家」
中公文庫、昭和53年・刊。
彼は、東日本大震災のあと、日本国籍取得・日本永住を決意して実行している、日本文学等の研究者である。
この本では、鷗外、子規・啄木、谷崎潤一郎、川端康成、太宰治、三島由紀夫(5編)、安倍公房、大江健三郎など、日本の作家を論じている。
響いた事の1つに、太宰治の作品が、外国ではカミュ、カフカやドストエフスキーと比較されたりして、弱者の独白的小説と受け取られていない事である。
もう1つは、三島由紀夫が若い晩年に右傾化したのではなく、少年時代からの思いの果てに、自決事件に至ったという考えである。
彼の「鏡子の家」は、当時の日本では不評で、ドナルド・キーンもそう紹介しているが、僕は読んだとき傑作の1つだと感じた事を思い出す。
鈴木徹様、コメントを下さり、ありがとうございます。
僕が読んだのは古い本なので、新しい本もあると思います。
投稿: 新サスケ | 2012年4月 4日 (水) 19:18
キーン氏の視点は、やはり生粋の日本人とは違うのでしょうね。
氏の書評から逆に日本人の心のありようが見えてきそうです。
是非読んでみたいと思います。
投稿: 鈴木徹 | 2012年4月 4日 (水) 15:59