本より入る
先日、理髪をしてもらいながら、店主と話をした。
その中で、「僕はなんでも、本より入る」という僕の話に、彼が反応して、彼は「なんでも手ほどきから入る」と話した。
あとから考えても、僕は本より入る事が多い。
高校文芸部に入部して、(今は現代詩作家として名高い)荒川洋治さん、同期のM
晴美さんの前衛的な詩には影響を受けたが、入部しばらくして、小海永二「現代の詩 新しい詩への招待」(三一書房、高校生新書34、1965年・刊)を繰り返し読み、現代詩の方向を見取った。思潮社の現代詩文庫が、今では想像できない程よく売れた時代で、僕も少しだけど買って読んだ(今は生活詩しか書けないけれど)。
二十歳頃に覚えた囲碁もそうだった。ある年配の方に手ほどきを受けたのだが、その後は「これだけ覚えれば初段」といった本を始め、大学囲碁部の仲間と実戦を重ねながら、囲碁書をよく読んだ。今の日本棋院アマ6段の免状も、ペーパーテストで合格したもので、実戦力はそれ程ない。
分家後の園芸も、「NHK趣味の園芸 作業12か月」シリーズの「ツバキ・サザンカ」、「ユリ」などの、毎月の作業を学んだりして実践した。
僕の短歌観は、茂吉・啄木より俵万智まで飛んでいたが、「昭和萬葉集」21巻の作品を読み通して学んだ。作品より学んで、解説書・歌論を疎んじる僕の傾向は、そのあたりより来ているのかも知れない。
このブログも、解説書を読んで、ミスのあとに、立ち上げ得たものだ。
ダウンロード・フォト集より。
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