前田普羅「春寒浅間山 増訂版」
次に挙げる句集より、角川書店「増補 現代俳句大系」の第6巻に入る。
全15冊を購入し、第1巻の句集より紹介してきたが、第15巻の終りに至る事があるのか、至れるとしていつ頃なのか、今の僕にはわからない。努力は重ねるつもりである。
第1番めの句集、前田普羅「春寒浅間山」を読みおえる。
原著は、昭和21年、靖文社・刊。215句。
戦時中の後ろめたい事は除いて、しかも隠したと批判されてはいけないので度の軽い句をわずかに載せ、第2芸術論の吹き荒れる中で句集を出版するのは、著者は心苦しいかも知れないが、読者も心苦しい、と感じてしまうのは、僕の考え過ぎだろうか。
以下に4句を引く。
雉子啼き轍くひこむ裾野径
春の月さしこむ家に宿とりて
吾亦紅くらし指す人もまた
うつり行く蝶々ひくし秋の山
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