前田普羅「飛騨紬」
角川書店「増補 現代俳句大系」第6巻(昭和56年・刊)より、6番めの句集、前田普羅「飛騨紬」を読みおえる。
原著は、昭和22年、靖文社・刊。
自序、215句、後記を収める。
彼の句集について、第1巻所収の「新訂 普羅句集」については、2010年7月17日の記事で、第6巻所収の「春寒浅間山 増訂版」については昨年12月28日の記事で、少し述べている。
「春寒浅間山」、この「飛騨紬」、それに「能登蒼し」(第8巻所収)と合わせて、3部作句集と自称する。
「飛騨紬」について、ほぼ戦時下ながら、なつかしい景色である。
以下に5句を引く。
雪とくる音絶え星座あがりけり
顔入れて馬も涼しや花卯木
栃老いて有るほどの実をこぼしけり
樹々の雪蹴つて山鳥色つよし
正月の下駄の音する飛騨の峡
本文とは無関係。
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