« 写真集「古鏡」 | メイン | 「あすなろ集」読了 »

2014年10月18日 (土)

歌文集「やまぐに」

 大和書房「斎藤史全歌集」(1998年5刷)より、歌文集「やまぐに」を読みおえる。

 先月9月12日の記事(←リンクしてある)、未刊歌集「杳かなる湖」に継ぐ。

 原著は、1947年、臼井書房・刊。

 18章150首(のちに145首)の短歌に、12編の随筆を挿んでいる。1946年の作品である。

 1945年に長野県に疎開し、終生住むこととなった地での、戦後出発の短歌を読める。

 酷寒の物資乏しい地での厳しい生活と、鍋・釜が買え塩の配給が貰える、復活の希望が、詠まれたと僕は考える。

 以下に6首を引く。

白梅のことしも咲くと目にとめて言ひつくしがたき思ひもあるを

伏せ馴れしまぶたを上げてみづみづし春至り来る山河を見む

(う)せはてし想ひをたどるりんご樹の花あかり道すでに昏(くら)みぬ

土よごれ染みたる顔をいら立てて野良の女になりきれず我は

若き等の踊りのむれにまぎれ入り手打ちはやせばたのしきに似る

あくせくとわれの日毎の手仕事よ冬すでに近む雑草の色

(注:旧漢字を新漢字に替えた所があります)。

Photoフリー素材タウンより、菊の1枚。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/32852745

歌文集「やまぐに」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート