若山牧水「路上」
AmazonのKindle本「若山牧水大全」より、第4歌集「路上」を、10インチ・タブレットで読みおえる。
今月8日の記事(←リンクしてある)、「別離」に継ぐ。
原著は、1911年(明治44年)、博信堂書房・刊。483首。
牧水は、歌集「別離」の名声、編集する「創作」の隆盛、の中で、恋愛・健康・創作等に苦悩した時期という。旅の歌が多く、苦悩を表わす歌も収める。
以下に7首を引く。
海底に眼のなき魚の棲むといふ眼のなき魚の恋しかりけり
手を触れむことも恐ろしわがいのち光うしなひ生を貪る
摘草のにほひ残れるゆびさきをあらひて居れば野に月の出づ
ゆふぐれの河にむかへばすさみたるわれのいのちのいちじろきかな
衰ふる夏のあはれとなげやりのこころのすゑと相対ふかな
かたはらに秋ぐさの花かたるらくほろびしものはなつかしきかな
山かげの小川の岸にのがれ来てさびしやひとり石投げあそぶ
コメント