若山牧水「秋風の歌」
Kindle本「若山牧水大全」より、第7歌集「秋風の歌」を、タブレットで読みおえる。
今月13日の記事(←リンクしてある)、「みなかみ」に継ぐ。
原著は、1914年(大正3年)、新声社・刊。377首。
短歌新聞社・版「若山牧水全歌集」を、参考しているけれど、A5判1ページに20首詰め込んであるので読みにくい。10インチタブレットでは、横長1面に7首~9首と、読みやすい。画面を拡大するのではなく、字の大きさを調整できるので、僕は字をやや大きくして読んでいる。
自序で牧水は、「単に生命の表現または陰影であるといふより、われとわが生命を批評して居る如き傾向を生じてきたと思ふ。」と述べている。
以下に7首を引く。
或時は寝入らむとする乳吞児の眼ひき鼻ひきたはむれあそぶ
七月のあさくさの昼いとまばらにひとが歩めりわれがあゆめり
音に澄みて時計の針のうごくなり窓をつつめる秋のみどり葉
くだものの皮を離れぬ秋の蜂ちさきをみつつ涙ぐみける
くつきりと秋のダリアの咲きたるに倦める心は怯えむとする
青き幹かの枝を切れかの葉を裂け真はだかにして冬に入らしめ
われと身を噛むが如くにひしひしと春のさびしき土ふみ歩む
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