タブレットより啄木「一握の砂」
Google Play Booksよりタブレットに無料ダウンロードしておいた、石川啄木「一握の砂」を読みおえる。
僕の短歌の始めというより、僕の文学の始めといって良く、「悲しき玩具」と共に、繰り返し読んで来た。
繰り返し読んでいると、「立原道造詩集」と同じく、評論等にあまり取り上げられない作品でも、意義ある作品ばかりである。
この版の表記に、9首め「しっとりと/なみだを吸へる…」などとあって、驚く。旧かなでは「しつとりと」である。底本は「日本文学全集」12「国木田独歩 石川啄木集」集英社、となっており、その本を見ると確かにそうなっている。
さらにこの歌集は、その全集本を基として、インターネット図書館「青空文庫」で作られたファイルを基としており、そこでも「しっとりと」等となっている。。
この流布は困った事だ。手許の新潮文庫・石川啄木「一握の砂・悲しき玩具」では「しつとりと」となっている。作品全体に促音・拗音の小文字はない。
何か表記のルールがあるのだろうか。
今から啄木を読むなら、先の新潮文庫をお奨めしたい。今でも流通しているかどうかは、知らないけれども。
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