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2016年2月 9日 (火)

国木田独歩「湯ヶ原より」

 Google Play Booksよりタブレットへ、以前に無料でダウンロードした、国木田独歩「湯ヶ原より」を読みおえる。

 「僕」から「内山君」に宛てた書簡で、失恋を告白する態の短編小説である。

 湯ヶ原温泉に療養に来た学生と、その宿の女中である娘が、ともに憎からず思う、プラトニックな恋をした。翌年、再び逢いにゆくと、そのお絹さんは結婚するために帰郷すると宿を出たところで、僕は失恋する、というストーリーである。

 内容はうぶだが、友への語り口調で、口語文体の小説の困難な時期だったろう。

 フィクションの構成、レトリックもさりげない。

Photo「フリー素材タウン」より、蝋梅の1枚。

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