2012年5月17日 (木)

山口青邨「雪国」

Cimg6012 角川書店「増補 現代俳句大系」も、第5巻(昭和56年・発行)に入る。

 昭和17年~21年に発行された、13句集を収める。

 写真は、第5巻の箱の表である。

 初めの山口青邨「雪国」を読みおえる。

 原著は、昭和17年、龍星閣・刊。

 650句、「あとがき」を収める。

 「作品解説」に拠ると著者略歴は、第1巻を見なければならない。本の山から掘り出して、埋め戻したのに、今更それはないだろう。

 「雪国」に戻ると、俳壇の激浪の時期に、「ホトトギス」に拠って吟じられた、虚子・選の句が殆どである。中国に寄り、ヨーロッパ、アメリカに2年間、留学していた間の、外国吟が注目される。

 以下に5句を引く。

樽前に日は落ちてゆく花野かな

水仙の花の盞うつ雫

汐騒や妻は昼寝をたのしみて

春雨や江南の乙女機を織る

故伍長蜩鳴けるふるさとに

2012年5月16日 (水)

ミニ薔薇2株(2)

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 この5月12日の記事で紹介した、ミニ薔薇2株の、残りの莟がほとんど全部咲いた。

 左の黄花は、残る2つの莟のうち、1つが咲いた。

 右の赤花は、残り5つの莟、全部が咲いた。

 よい匂いがする。

 剪った花たちは、3つの小花器の中で、余生を楽しむかのようだ。

 また2鉢の株の、育成期だ。

2012年5月15日 (火)

詩誌「果実」66号

Cimg6011 県内にお住まいの詩人・T篤朗さん(発行編集者)が、同人詩誌「果実」66号を送って下さった。

 平成24年3月、果実の会・刊。

 県内の元教師、6人を同人とする。

 Y茂子さんの作品は素直だったが、発表を重ねて、今号の「こころ」では、澄明さを表すようになった。

 N明徳さんの「つながり」が過去と現在の繋がりを描いて、また「ことば」では穏やかな老後を描いて、情趣がある。

 またF則行さん、W本爾さん、K不二夫さん、T篤朗さんのベテランたちも、旺盛な意欲で詩作品を発表している。

 またエッセイと後記では、言葉、詩、短歌、読書等をめぐって、真摯な発言がある。

2012年5月14日 (月)

永井陽子「モーツァルトの電話帳」

 青幻舎「永井陽子全歌集」(2005年・刊)より、4番めの「モーツァルトの電話帳」を読みおえる。この全歌集は、1ページ最多5首で、とても読みやすい。

 原著は、1993年、河出書房新社・刊。

 180首と、エッセイ1編を収める。

 この歌集のユニークさは、1首の頭を50音順に、つまり電話帳と同じ構成の、配列にしている事である。もちろん意識して詠んだのであろう。

 ただし、言葉派≒芸術派的な作品のみではなく、ほぼ同じ時期に老母の介護という、リアル派≒生活派的な作品も創っていて、2年後の歌集「てまり唄」となる。

 「モーツァルトの電話帳」より、6首を引く。

秋の陽をかばんに詰めて帰り来るをとこひとりと暮らすもよけれ

風がリラを鳴らす太古のゆふぐれをおもひて地下の通路抜けたり

縦にむすび横にむすびてまたほどけ雲の遊戯は果てもなかりき

にはとりは昔はもっと小さかったよそして気ままに空を飛んだよ

窓に息吹きかけ月や星や木を描きつつこよひ老いゆくうさぎ

(わら)ひをるあの白雲め天と地のつっかひ棒をはづしてしまへ

Phm02_0760
写真は、記事と無関係。

君子蘭の花と思われる。

2012年5月13日 (日)

「耳ぶくろ」

Cimg6001 日本エッセイスト・クラブ編「’83年度版ベスト・エッセイ集 耳ぶくろ」を読みおえる。

 文春文庫、1986年・刊。

 単行本は、1982年に発表されたエッセイより、1983年に初年度のベスト・エッセイ集として、61編の作品を収めて、文藝春秋社より発行された。

 僕はこのシリーズの文庫本を、この初年度より20冊、所蔵している。

 「耳ぶくろ」は僕の予想では、内容だけでなく、しみじみ・ほのぼのした世界かと思っていたが、そうでもなくて、競争意識等があるのか、厳しい世界だった。

 功成り名遂げた人物の人生余談が多い。

 その中で、作家・宮原昭夫氏の「漁師料理の旅」が、のちにテレビでもたくさん取り上げられた「漁師飯」の美味を伝えて、先駆的である。

 もし世の中が、豊かで自由な世界を目指すなら、芸術はそれを先取りするものだろう。

 封建遺制の残った世界など、論外だろう。

 詩人の交わりは、室生犀星「我が愛する詩人の伝記」の、詩友や後輩との交わりを範とすべきで、僕は何回も読み返している。

2012年5月12日 (土)

ミニ薔薇2株

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 台所の窓辺で、2鉢のミニ薔薇が咲いている。

 左の写真の赤花の株は、昨年3月より9月まで咲き続けたもので、冬を越し、強剪定を経て、10ケの莟を付けた。

 今、5輪が咲いている。

 右の写真は、今年1月に買った黄花の株で、2期め(?)の8ケの莟を付けた。

 すでに咲いた2輪を切り、残りより3輪が咲いた。

 この2株の、今年の健闘を願うばかりである。

2012年5月11日 (金)

本より入る

 先日、理髪をしてもらいながら、店主と話をした。

 その中で、「僕はなんでも、本より入る」という僕の話に、彼が反応して、彼は「なんでも手ほどきから入る」と話した。

 あとから考えても、僕は本より入る事が多い。

 高校文芸部に入部して、(今は現代詩作家として名高い)荒川洋治さん、同期のM

晴美さんの前衛的な詩には影響を受けたが、入部しばらくして、小海永二「現代の詩   新しい詩への招待」(三一書房、高校生新書34、1965年・刊)を繰り返し読み、現代詩の方向を見取った。思潮社の現代詩文庫が、今では想像できない程よく売れた時代で、僕も少しだけど買って読んだ(今は生活詩しか書けないけれど)。

 二十歳頃に覚えた囲碁もそうだった。ある年配の方に手ほどきを受けたのだが、その後は「これだけ覚えれば初段」といった本を始め、大学囲碁部の仲間と実戦を重ねながら、囲碁書をよく読んだ。今の日本棋院アマ6段の免状も、ペーパーテストで合格したもので、実戦力はそれ程ない。

 分家後の園芸も、「NHK趣味の園芸 作業12か月」シリーズの「ツバキ・サザンカ」、「ユリ」などの、毎月の作業を学んだりして実践した。

 僕の短歌観は、茂吉・啄木より俵万智まで飛んでいたが、「昭和萬葉集」21巻の作品を読み通して学んだ。作品より学んで、解説書・歌論を疎んじる僕の傾向は、そのあたりより来ているのかも知れない。

 このブログも、解説書を読んで、ミスのあとに、立ち上げ得たものだ。

Phm10_0072
写真は、記事と無関係。

ダウンロード・フォト集より。

2012年5月10日 (木)

太田鴻村「穂国」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第4巻(昭和56年・刊)より、14番め、最後の句集、太田鴻村(おおた・こうそん)「穂国(ほのくに)」を読みおえる。

 原著は、昭和16年、新土社・刊。

 臼田亜浪の序文、596句、後記を収める。

 敗戦前に俳誌「石楠」で活躍したとされる。

 昭和10年までの作より、5句を引く。

川船の月暗ければ水匂ふ

朝焼が胸につめたし夾竹桃

ひさびさの旅路草家の干布団

夜や冷ゆと下り鰻を待ちてけり

姫百合の灯になじめるを妻もとめ

Phm10_0105
写真は、記事と無関係。

ダウンロード・フォト集より。

2012年5月 9日 (水)

ミニ薔薇と満天星

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 今年1月に買い、1月24日~3月31日に、4回にわたり開花を紹介してきた、黄花ミニ薔薇が2期め(?)の8つの莟をつけた。

 そのうち2輪が咲いたので、1輪の写真を公開する。

 昨年3月~9月に、5度の花を咲かせた赤花ミニ薔薇が冬を越し、強剪定をしたところ、10個の莟が上がっている。

 「ひょっとして俺、グリーンフィンガー?」と思ってしまう。

 しかし右の写真の紅更紗満天星(ベニサラサドウダン)は、4、5種類の満天星の苗を2度買って、唯一残ったものである。

 最後に残った種は、大事である。

 花は嘘をつかないし、世話をしただけ応えてくれる、と思うが僕は、人間嫌いという訳ではない。

2012年5月 8日 (火)

永井陽子「ふしぎな楽器」

 青幻舎「永井陽子全歌集」(2005年・刊)より、4冊めの「ふしぎな楽器」を読みおえる。

 原著は、1986年、沖積舎・刊。

 138首とエッセイ5編を収録。粟津則雄・解説。

 名古屋、京都でのシンポジウムに参加するなど、歌壇的には行動した時期だが、個人的には孤独な作歌生活だったろうと思われる。

 エッセイ「魔笛」で全身が音楽となった体験を、「あとがき」で「うたはふしぎな楽器であると、…」と述べて、音楽との親密性を語っている。

 以下に6首を引く。

今宵ぎちぎち星が燃えはて落ちぬかと大熊星座たしかめに出づ

高麗人は装ひをとき韻を解きほのかにひとをおもひそめにき

くわつと照る陽をまたくわつと押し戻し都会は熱き方形のつらなり

秋天の藍のましたに円座成し縄文人ももの食ふころぞ

ただ一挺の天与の楽器短歌といふ人体に似てやはらかな楽器

振りむけば官位のことを気に病める定家もゐたり秋の陽のなか

Phm02_0062
写真は、記事と無関係。

ダウンロード・フォト集より。

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