小島ゆかり歌集「ごく自然なる愛」
「柊書房」にファクス註文して送って貰った本、小島ゆかり歌集「ごく自然なる愛」を、3日かけて読みおえる。
香ばしく日灼けの匂ふ娘らに意味ワカンナイわたしの憤怒
とても苦労して育てたのに、娘たちは自分で育ったかのように若さを謳歌している事への憤り。少し違うが、僕は一人息子の若さに嫉妬する時がある。
みちのくの旅のをはりは折詰の山菜料理くきくきと食む
前向きの歌が多いなかで、少し後ろ向きの歌。つつましく、清しい作になっている。
反抗期終はりたるらし小言いふわれにやさしく遠い眼をする
こういう様子をわが子にされたら、親はとても寂しい思いをするだろう。
老眼鏡かけねば足の爪切れぬこんなさびしさ思ひみざりき
中年期の、思いは若いのにからだが老いてゆく淋しい生に彼女も入っていく。
彼女の短歌は茫洋と大柄で、優しさのきわみである。
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