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2008年1月12日 (土)

歌集「都府楼」

004  末房長明さんの第3歌集「都府楼」(平成17年、短歌研究社・刊)を読みおえる。昨年(平成19年)10月9日のこのブログで、彼の第2歌集「遠賀川」を取上げたおり、定年後の彼の短歌を読みたいと書いたが、手許にその第3歌集があることを見つけたもの。

 のびのびとした作品が多いようだ。彼は次の仕事に就いているが、時間と心に余裕があるのか、海外旅行詠や登山詠も織り込まれている。

 終止形で「恥づる」とか、連体形で「見える」とか使われているのは、気になる点である。

 愛妻もののほほえましくもある2首を引いておく。

竜胆の群れ咲く山の径を来てブッセの詩句を口ずさむ妻

向日葵の花四五本を抱きかかへ朝の市場を出でてくる妻

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