ショウペンハウエル「自殺について 他四篇」
ショウペンハウエル(別の呼び方・ショーペンハウアー)の「自殺について 他四篇」(岩波文庫)を読みおえる。
彼は自殺を勧めているのではなく、また一部の宗教家や哲学者が自殺を罪悪とする事には反対している。
この本の中に「われわれは…である」というあいまいな書き方がしばしば出てくるが、「われわれ」とは「著者と読者と」という意味ではなく、当時のヨーロッパ(はっきり言えば、ドイツ、フランス、イギリス)の知識人を指すらしい。このあいまいさは、論理的不備である。
末尾に近く「幸福な人生などというものは不可能である」という一文があるが、それでは個人が生きて行く人生の価値がない。
「知性について 他」「読書について 他」と併せて、彼の主著「意思と表象としての世界」に対する「付録と補遺」より、岩波文庫に翻訳されている全3冊を読みおえた。
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