「立原道造詩集」
角川文庫「立原道造詩集」(昭和34年、17版)を読みおえる。カバーなし。裏表紙見返しに旧蔵者の記名を消した跡あり。
僕は高校生時代に彼の詩に出会っていらい、何度も詩集を読み直して今でも、彼の青春の吐息のような詩が好きだ。メタボ気味のおじさんに似合わないかも知れないが。
巻末の年譜によると、彼は1939年、24歳の若さで亡くなっている。
1節を引く。
僕らは すべてを 死なせねばならない
なぜ? 理由もなく まじめに!
選ぶことなく 孤独でなく-
しかしたうたう何かがのこるまで
「風に寄せて その二」より
第2次世界大戦へ入ってゆく時代の、青年の思いが込められているのだろうか。
彼の詩で1番好きなフレーズは、次ぎの1節だ。
ある日 悲哀が私をうたはせ
否定が 私を酔はせたときに
すべてはとほくに 美しい
色あひをして 見えてゐた
「午後に」より
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