浅田次郎の短篇小説集「月のしずく」(文藝春秋、1997年・刊)を読みおえる。
帯文は気恥ずかしい。
収められた7篇すべてが、いわゆる「泣かせる話」なのだけれども、僕が感激したのは、表題作の「月のしずく」と、「ふくちゃんのジャック・ナイフ」、それに「ピエタ」である。
いずれも、社会的にあるいは家庭的に恵まれない主人公の話である。社長、社長夫人が主人公では、感情移入しにくい。
この本や、室井滋、さくらももこのエッセイは、職場の控え室で作業のひまに読んでいるので、とくべつに力を入れて読んでいるのではない。それに単行本は活字が大きいし。
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