「鮎川信夫全集Ⅱ 評論Ⅰ」を読みおえる。
1995年、思潮社・刊。箱、箱と本体にパラフィン紙カバー、662ページ。
戦後詩をリードした「荒地」グループの中で、鮎川信夫は、理論面でも先導した。
この大冊には、戦後の前衛詩論と、戦中手記、戦前の日記などが収められている。戦中に既に、敗戦後の芸術のありようを論じていたところなど、さすがである。
僕は、前衛詩からずうっと後退して生活詩を書いている(この後退は、僕において必然であった)から、彼の熱のこもった前衛詩論も、遠い歴史的なものに読める。
もっとも1度は熱中した戦後詩のことだから、その根源を確かめる意義はあるけれども。
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