« 「大事なことはみーんな猫に教わった」 | メイン | 「三十六歌仙の流転」 »

2009年1月19日 (月)

田中小実昌「自動巻時計の一日」

001  田中小実昌の小説「自動巻時計の一日」を読み終える。

 河出文庫、2004年・刊。

 彼の短篇でない小説を、僕は初めて読んだ。あるサラリーマン「おれ」の一日を述べる構成で、苦手な(?)長編(文庫本で233ページ)が可能になったのだろう。

 主人公は、1種の「ゆるキャラ」で、妻にはバカにされている。勤務地の米軍基地・化学研究所では、怪しげな日本人、米軍属が、高尚でないドラマを繰り広げる。

 その中で、主人公が、時間を盗むようにして英語の小説を翻訳している点が、ただ者ではない。田中小実昌自身が、底辺の職を転々としながら、翻訳から創作へ進み、「直木賞」「谷崎潤一郎賞」を受賞するまでに活躍するところと、重ね合わせて読むと、この小説にも救いがある。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/17865844

田中小実昌「自動巻時計の一日」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート