ティム・オブライエン「カチアートを追跡して」
アメリカ・作家、ティム・オブライエンの小説「カチアートを追跡して」(生井英考・訳)を、読みおえる。
新潮文庫、平成9年・刊。
南ベトナムでのアメリカ軍の行軍や戦闘というリアルなストーリーと、逃亡兵士カチアートを一隊がベトナムからフランス・パリまで追跡するという破天荒なストーリーが、交互に語られる。
追跡行は、歩兵ポール・バーリンの長い長い夢想である。解説では、「夢想のなかの出来事かもしれない、ということが仄めかされている」と、ぼかされているけれども。
この逃避的な小説がなぜ、1979年にジョン・アーヴィングの小説「ガープの世界」を退けて、全米図書賞を受賞したのか、わからない。
なお僕は、ティム・オブライエンの他の小説、「本当の戦争の話をしよう」「ニュークリア・エイジ」も、読んでいる。
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