宮本輝「本をつんだ小船」
文春文庫、1998年2刷。
作家の読書録といっても、執筆当時ではなく、中学生から大学生にかけて濫読した本のうち、感銘の大きかった32作について、あらためて述べてた本である。
当時、著者の父は事業に失敗して借金を作り、愛人の所にいて自分の家にはめったに帰らなかった。
また母はアルコール中毒となり、自殺未遂事件を起こしたりした。
そのような環境の中で、著者の言葉によると「逃避として」、本を読みふけった。僕の考えでは、本より人生の滋養を得ていたと思う。
悲惨だった家庭環境を逆手にとって、作家となり、成功していることは尊い。
僕は、彼の「河」3部作と、もう一編の小説を、読んだきりである。
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