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2009年12月 6日 (日)

福士りか「「゛り゛の系譜」

002  青森県・在住の歌人・福士りかさん(「コスモス」「棧橋」所属)が、歌集「゛り゛の系譜」を送ってくださった。

 2009年11月、津軽書房・刊。

 この本は、彼女の「朱夏」「フェザースノー」に続く、第3歌集である。

 かつて僕は前の2歌集も頂いて、読ませてもらった。

 「゛り゛の系譜」は、心情的にもレトリック的にも成熟した、優れた歌集である。

 レトリック的に成熟したというのは、派手な修辞を見せびらかすのではなく、抑えた作品、軽みを帯びた作品などを、指すのである。

 以下に8首を引く。

髪梳けば櫛は半ばで絡みたりほぐしつづくる生かと思ふ

母は「りゑ」その母は「りち」りの系譜われにつながりわれにて絶えむ

いま何か降つてゐるかと聞く祖母よ さうだねたぶん時が降つてる

一日の化粧落とせば母に似てしばし向き合ふ四十の母と

水をこぼし御飯をこぼしぽろぽろと記憶をこぼし祖母は泣きたり

いちご飴ふたつ下さい姪ふたり連れて明るき宵宮あゆむ

わらわらと泣きたくなりぬ生徒らが真面目にノートをとる五時間目

練習で泣きしは初とあきれられ羨ましがられ卒業を待つ

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コメント

福士りか様、コメントをくださり、ありがとうございます。
拙速な感想ですみません。

さっそくのコメント、ありがとうございます。
叙述の歌が多いのは前からの課題でしたが、ひとつやり終えたという感じです。次の表現の世界に進めるといいなあと思っています。

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