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2010年2月24日 (水)

高見順・詩集「死の淵より」

002  高見順・詩集「死の淵より」を、読みおえる。

 講談社文庫、昭和46年1刷。

 この本は、亡くなる直前の「詩集 死の淵より」に、「『死の淵より』拾遺」と「『わが埋葬』以後」の章を、収める。

 僕はこの文庫本を、高校生時代以来、何度も読み返して(その都度、本は違うが)、感銘を新たにした。

 文学好きな方には、1度は是非読んでもらいたい詩集である。

 詩「黒板」の後半を引く。

   「黒板」

  (前略)

私の好きだった若い英語教師が

黒板消しでチョークの字を

きれいに消して

リーダーを小脇に

午後の陽を肩さきに受けて

じゃ諸君と教室を出て行った

ちょうどあのように

私も人生を去りたい

すべてをさっと消して

じゃ諸君と言って

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