五十嵐播水「播水句集」
「増補 現代俳句大系」第1巻(角川書店、昭和56年・刊)より、3番めの句集、五十嵐播水「播水句集」を読みおえる。
この「増補 現代俳句大系」は、個人の全句集ではなく、また句集よりの抄出句選でもなく、名句集とされる本の集成なので、僕も1句集ずつ取り上げる。
五十嵐播水は、医学博士となった人である。
アマチュア文学が、旦那衆の芸事や、病気療養者の排悶の具に、終わってはいけないと思う。労働者の生の叫びや呟きであってほしい。
以下に4句を引く。
曼珠沙華折る子に柩通りけり
潮焼けの面ひとしき双子かな
足袋はいて足のぬくさや秋の雨
菜の花の道高まれば海見ゆる
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