青木正美の自伝風読み物、「古本屋四十年」を読みおえる。
福武文庫、1992年3刷。
極貧(著者の言葉)から、ワーカホリックを自覚するほどに働いて、それなりの成功を収めたこと、また古書店主という特殊性から、少し泥くささを感じる。
古書店主の物語というと、出久根達朗のものを思い出すが、出久根の場合は、戯画化があった。
青木正美の場合は、彼が傾倒する(本を読むだけでなく、自筆もの-原稿、書簡などを蒐集する)島崎藤村に似て、真面目一辺倒の語り口である。
また彼は、古書店主の仲間、ライバル、先輩を、感謝の念でもって描いて、好感がもてる。
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