篠田悌二郎「四季薔薇」
角川書店「増補 現代俳句大系」の第1巻(昭和56年・刊)より、第10番めの句集、篠田悌二郎「四季薔薇」を読みおえる。
原著は、昭和8年、馬酔木発行所・刊。
題名の「四季薔薇」は、今で言うところの「四季咲き薔薇」のことだろう。
後記には「ホトトギスの客観写生の説に迷はされてゐた」とあって、水原秋桜子の「馬酔木」独立に同人として参加している。
「短歌的抒情の消化」等の美質があるとされる。
流されない(流していない)抒情の俳句として、もっと高く評価されてよいのではないか。
以下に5句を引く。
春寒や畳の上の椅子机
白酒や玻璃さかづきの花模様
籠雲雀ひねもす鳴いて草餅屋
鶏頭や畳に蟻を見ずなりぬ
鳰二つかづき潜きてへだたりぬ
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