清原拐童「拐童句集」
角川書店「増補 現代俳句大系」第1巻(昭和56年・刊)より、第13番めの清原拐童「拐童句集」を読みおえる。
原著は、昭和9年、素人社書屋・刊。
彼にはこの他に、句集「枯芦」(昭和18年・刊)がある。
この句集では、30年間の326句を、春夏秋冬新年の部に分け、季語ごとにまとめてあり、とても読みやすい。ただしこの配列を、全句集でされると困る。
昭和23年、67歳で没するまで、地方俳壇の雄であったそうだ。
こうして、現代俳句史に名を残すことも、名誉であるだろう。
以下に5句を引く。
東風の磯へ宮垣沿うて曲るかな
春燈やふるさと人とゐてあかず
蜷の岩女波男波と夕さり来
二三枚障子浸りて川の秋
別れ路の水べを寒きとひこたへ
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