僕の古い蔵書に、「漱石詩集 印譜附」がある。
岩波書店、大正8年・刊。
小さな秩に2分冊が入っている。
1冊は漱石の漢詩集で、原文では僕にはわからない。吉川幸次郎の注釈による漱石詩集を、岩波新書で読んだことがある。
もう1冊は、漱石の印譜集で、これが貴重である。
見開き2ページの左側に印が捺してあり、右側のページは空白である。
全28ページに印が捺してあるが、1ページに2つの印が捺してあるところもある。
朱のにじみ具合などから、印刷ではなく、1つ1つ印を捺したようだ。
僕の数少ない稀覯本のうちの1冊である。
写真は、2番めの「漱石」の印。
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