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2010年7月18日 (日)

「増補 森川義信詩集」

002  3日前の7月15日の記事で、購入を報告した、鮎川信夫・編「増補 森川義信詩集」を読みおえる。

 国文社、1991年・刊、紙カバー、帯。

 記事が重複するが書くと、森川義信は、戦前「荒地」グループの1員で、昭和17年、ビルマで戦病死、25歳。

 この本の初めには、彼の写真(もちろんモノクロ)があり、いがぐり頭の田舎の青年である。

 この詩集を通読すると、初期の新体詩から、モダニズム詩へ移り、召集前の新しい詩(実存的、表現は超現実主義的)となる。

 内容は時代を映して暗く、悲痛である。

 以下に「衢にて」の後の部分を引く。

   衢にて

     (前略)

もはや

美しいままに欺かれ

うつくしいままに奪はれてゐた

しかし最後の

膝に耐え

こみあげる背をふせ

はげしく若さをうちくだいて

未完の忘却のなかから

なほ

何かを信じようとしてゐた

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