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2010年9月16日 (木)

ゴールズワージー「林檎の樹」

003  ゴールズワージーの中編小説、「林檎の樹」を読みおえる。

 新潮文庫、昭和58年51刷。

 中編小説は、1エピソードを描くには長過ぎ、人の一生を描くには短い。

 この小説では、25年くらい前を回想するという形式で、主人公の半生を思わせる。

 この小説が、ある程度有名であり、多くの読者を持ちながら、なぜ傑作とされないか、わかるような気がする。

 まず、描写が感傷的過ぎる。

 また庶民の娘に対する、主人公の倫理感の薄さが、イギリス上流階級の青年らしく、反発を買う。

 ゴールズワージーには、「フォーサイト家年代記」と称される大連作があり、それのほうが評価は高いようだ。

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コメント

佐藤紀子様、コメントを下さり、ありがとうございます。
短編、中編、長編の分け方は、日本と欧米(?)では違っているようにも思います。
アシャーストが娘を振ったのも、色いろ事情があっての事ですが、もっと何とかならなかったかと思います。
自然描写が感傷的過ぎるようです。

これ、CARAVAN という短編小説集に入っている一遍で、作者は、中編ではなく、短編として扱っていたように思います。

それと、アシュレーじゃなくて、アシャーストでしたよね。主人公の青年の名は。(間違えました)

たしかに彼の無責任ぶりには、私も反発を感じましたけれども、イギリスで暮らしてみると、まだまだいまだに階級社会で、一応、表面ではきれいなことを言っている人も、内心、たとえば日本人の女なんて、人間とも思っていないところがあって、反発したくても受け容れるしかないミーガンの気持ちが絶望的によくわかるようです。 
本当に失礼なヤツなんですよ、アシャーストは。

The Apple Tree は、高校二年のとき、副読本として読みました。
英語で、短編とはいえ、ちゃんとした小説を読むのは初めてで、とても印象に残っています。(それからも何度も読みましたが)
そう思っていたのは私ばかりではなかったので、60歳になってから、定年退職した同期の仲間達と現地集合でThe Apple Tree の旅をしたんです。
ロンドンでレンタカーをして走りに走り、Dartmoor を通り、Torquayの町に泊り・・図書館で手書きの原稿を見せてもらったりして、とても楽しい旅でした。
私たちは、銀婚式を迎えたアシュレーの年齢よりも年上でしたが、それなりに人生経験を積み、高校時代とはまったく違う解釈も出てきたりして・・。
私には大事な一冊を、新サスケさんがお読みになっていたので、なんだか嬉しくなりました。

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