石坂洋次郎「愛情・少女」
角川文庫、昭和54年・第46版。
僕は、石坂洋次郎の小説を好きなほうで(舞台は、僕と僕の環境よりかけ離れているが)、もっとも読んだのは3作くらいだが、彼の他の文庫本も何冊か持っている。
「愛情」「ある夫婦の一日」は、夫婦の愛情を、計略をもって試す話で、個人的に好まない。
また「愛情」「少女」は、ネタが類型的だと思う。コントにありそうだ。
最後の「赤い鳥籠をもつ女」は、他と比べてやや長く、テーマはシリアスである。妻が狂気となって亡くなってしまった男と、結婚する娘の話だ。
彼の小説は、敗戦を解放ととらえた、僕より年上の世代に、迎えられたのではないだろうか。
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