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2010年11月14日 (日)

石坂洋次郎「愛情・少女」

003  石坂洋次郎の短篇小説集、「愛情・少女」を読みおえる。

 角川文庫、昭和54年・第46版。

 僕は、石坂洋次郎の小説を好きなほうで(舞台は、僕と僕の環境よりかけ離れているが)、もっとも読んだのは3作くらいだが、彼の他の文庫本も何冊か持っている。

 「愛情」「ある夫婦の一日」は、夫婦の愛情を、計略をもって試す話で、個人的に好まない。

 また「愛情」「少女」は、ネタが類型的だと思う。コントにありそうだ。

 最後の「赤い鳥籠をもつ女」は、他と比べてやや長く、テーマはシリアスである。妻が狂気となって亡くなってしまった男と、結婚する娘の話だ。

 彼の小説は、敗戦を解放ととらえた、僕より年上の世代に、迎えられたのではないだろうか。

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