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2010年12月28日 (火)

「ヘッセ詩集」

001  「世界詩人全集」の第14巻、「ヘッセ詩集」を読みおえる。

 新潮社、昭和42年・刊。

 箱、帯なし、月報、本体にビニールカバー。

 この全集の第12巻を、この12月8日に読みおえて(ブログに記事あり)、第13巻の「リルケ詩集」は、彼の全集を読み進めている所なので飛ばし、第14巻に到る。

 ヘッセの詩は、文庫本で読んだ記憶があるが、このように纏めてたくさん(解説の前に282ページ)読んだのは、初めてである。

 初中期の詩は、放浪やその回想、望郷を描いた詩が多いようだ。後期には、人生観を描いた詩が多いようだ。

 ヘッセの詩と小説(僕も何編か読んだ)を比べると、小説のほうが質・量ともに上だと僕は思う。ただし詩人の心をもって小説を書くことは、可能だろう。

 以下に初期の短い詩を引く。

     野を越えて

           ヘッセ

空を越えて、雲は行き、

野を越えて、風はよぎる。

野を越えてさすらうのは、

私の母の迷える子。


ちまたを越えて木の葉は飛び、

木立ちの上に鳥は鳴く―

山のあなたのどこかに

私の遠いふるさとはあるに違いない。

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