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2011年1月28日 (金)

金子光晴「どくろ杯」

Cimg4626  詩人・金子光晴の自伝の1冊、「どくろ杯」を読みおえる。

 中公文庫、1981年3版。

 この自伝は、妻となる森三千代との出会いから始まる。

 二人で国内を放浪(詩人の知人を頼って)のあげく、日本に居づらくなり、子供ひとりを妻の実家に預け、夫婦で上海へ脱出する。

 滞在期間の長短はあるが、そのあと香港、ジャワ、シンガポールと放浪する。

 彼らの旅は、欧米にまで至るようで、続編にあたるらしい「ねむれ巴里」、「西ひがし」、「マレー蘭印紀行」(いずれも中公文庫)を、僕は持っているけれど、ひとまず措きたい。

 第二次大戦下の日本で、ただ一人、反戦詩を書いた詩人の感性は、戦前の世界放浪の生活から、形成されたようだ。

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