原石鼎「花影」
角川書店「増補 現代俳句大系」第2巻(昭和56年・刊)より、14番めの句集、原石鼎「花影」を読みおえる。
原著は、昭和12年、改造社・刊。
1冊1,005句の、好みではない句集を読み通すのは、苦痛である。
句数については、改造社の「現代自選俳句叢書」の1つとして刊行され、また第一句集であったから、著者の責任ばかりではない。
彼は絵も得意で、俳画展覧会を大きな店で開いて、その売上げを俳誌発行費、生活費にあてたと、付された詳しい自作年譜にある。
以下に5句を引く。
虎杖に蜘蛛の網(ゐ)に日の静かなる
短日の梢微塵にくれにけり
この秋や巷に住みて座敷掃く
boat勝ちて泣く選手あり草の春
糸滝を吹きたはめたる野分かな
コメント